第2の人生の構築ログ

自分の好きなことをやりつつ、インカムもしっかりと。FIRA60 (Financial Independence, Retire Around 60) の実現を目指します。SE を生業としていますが、自分でプログラミングしながら自分が欲しいと思うアプリケーションを作ることが楽しみです。旅行と温泉、音楽と読書は欠かすことができません。

やりきる人、村上世彰氏の「生涯投資家」を読む

ゴーンさんが保釈されましたね。あんな変装をして、スズキの「エブリイ」に乗ったのは想定外でした。

なぜゴーンさんの話からかと言いますと、ガイアの夜明けで日産の現在の情報を確認しようと思ったところ、途中から村上さんが登場するではありませんか。。まったく予想していなかったのですが、うれしい誤算で楽しませてもらいました。

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村上さんってホント一貫している方ですよね。村上さんを知ったのは「物言う投資家」とメディアに取り上げられていた2006年村上ファンド事件の前だったと記憶しています。メディアの取り上げ方に恣意的なところを感じ、ネガティブな印象を植えつけようとしているような報道のされ方だったと感じていました。当時は企業経営、経済、投資などにはあまり興味はなかったのですが、悪玉的な扱いで報道される村上さんを見ながら何故か悪い人には思えず、逆に惹かれる人だなぁと思っていました。

2017年6月に出版された生涯投資家を読んで何となくその意味が分かった気がします。熱い人だが本質的には真面目で謙虚な人、ただし、不器用、という当時感じていた村上さん像と大きく変わらなかったことが再確認できました。

生涯投資家 (文春e-book)

生涯投資家 (文春e-book)

(2017/07/09 読了)

はじめにの序文で投資について書いています。

そもそも投資とは何かという根本に立ち返ると、「将来的にリターンを生むであろうという期待をもとに、資金(資金に限らず、人的資源などもありうる)をある対象に入れること」であり、投資には必ず何らかのリスクが伴う。しかしながら投資案件の中には、リスクとリターンの関係が見合っていないものがある。それを探し、リターン>リスクとなる投資をするのが投資家だ。

私はこのリスクとリターンの関係を、「期待値」と呼んでいる。期待値が大きくないと、金銭的に投資する意味がない。そこを的確に判断できることが、優れた投資家の条件だ。

村上さんはご本人もそう言っているようにバリュー投資家です。保有している資産に対して時価総額が低い企業に投資するスタンスです。ガイアの夜明けで堀江さんも「村上さんに狙われているっていうことはアンダーバリューだっていうことですよ」と言っています。ちなみに、そういった話の中、ガイアの夜明けでは最後に日産を村上さんにつなげてきました。PTSではそのタイミングで日産の株価がいきなり吹き上がったそうです。。

改めて、さらに声を大にして言いたい、「コーポレート・ガバナンスと、その浸透による資金循環の促進」こそが経済成長を促す策だ、と。

これは昔から、何度も繰り返し述べられていますね。

資金は血液と同じだ。流れを滞らせたままでは、身体は健康ではいられない。血流を滞らせる最大の原因となっている日本企業の経営陣は、自分たちの行いが子孫にどのような悪影響を及ぼすことになるのか、よくよく考えていただきたいと思う。

そう、お金と血液は滞らせたらダメなんですよね。

会社は誰のものか?村上さんは一貫しています。

とても堅苦しそうなタイトルにも感じられますが、とても読み易く、メディアで見ていた若かりし頃の村上さんが何を考えて行動していたのか、改めてその内面も知ることができ、とても有益な本となりました。

村上さんの信念、やりきる力には感服します。まだ自分にもやれることがあって、自由なことをやる、やっていいのだと思わせてくれました。
人は環境になれ、落ち着いてくると、近視眼的になってくるものです。俯瞰的に見て、新たな道に進んでもいいのではないか、できないことなんてないんだ、と改めて思うことができました。