第2の人生の構築ログ

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「ひきこもり」の社会問題-8050問題

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www.sankeibiz.jp

SankeiBiz の2019/4/11の記事です。この問題は何も対応せずにそのまま放置していると、非常に深刻な問題になるのではないかと個人的には思っている件になります。

内閣府によると、就職氷河期世代を「平成5年から16年ごろに卒業期を迎えた世代」とすると、人口規模は30年時点で約1700万人で、このうち支援対象となるのはフリーターやパートといった非正規社員、無職など約400万人に上る。

ひきこもり多い氷河期世代…「生活保護入り」阻止へ早期対応 - SankeiBiz(サンケイビズ)

で、これが何が問題なのかと言いますと、

これらの人の多くが加入しているのは国民年金とみられ、高齢期に収入が月数万円の年金しかなくなり、そのまま生活保護へ転落することも予想される。

ひきこもり多い氷河期世代…「生活保護入り」阻止へ早期対応 - SankeiBiz(サンケイビズ)

これはこれで問題です。また、現時点の国としての税収という問題もあると思います。
ただ、この問題の一番深刻な点は以下のところです。

特に深刻なのは中高年のひきこもりだ。内閣府は3月、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せずに自宅にいる40~64歳の人が全国で61万3千人いるとの推計値を発表。就職活動でのつまずきがひきこもりの一因となっている可能性も指摘されている。20代から就労経験がないまま、中高年になっても親の年金を頼りにひきこもり生活を続けた場合、親が亡くなり年金収入が断たれてしまうと、途端に生活不能に陥ってしまう。政府にとっても生活保護の増加は大きな財政負担となりかねない。

ひきこもり多い氷河期世代…「生活保護入り」阻止へ早期対応 - SankeiBiz(サンケイビズ)

当時10〜20代だった「ひきこもり」となっている方々は現在40〜50代になっています。そして、その方々の面倒を親がみている状況だと推測されるのですが、その親の世代も高齢化しており、70〜80代となっています。その親が亡くなったときに彼/彼女達はどうなるのでしょうか・・・この数値から、この問題は「8050問題」とも言われています。

この件は「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること」の「老後の資金が貯まらず、「貧乏定年」が増大」の章でも取り上げられています。

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書)

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書)

1980 年代に「ひきこもり」が社会問題となったが、「ひきこもり」が長期化して 30 年の歳月が流れ、当時 10 ~ 20 代だった若者は 40 ~ 50 代となった。親の世代も 70 ~ 80 代と高齢化し深刻になっている。「 80 代の親と 50 代の子」という意味で、「 8050 問題」といった言い方もされる問題だ。

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書) | 河合 雅司

産経の記事では「半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せずに自宅にいる40~64歳の人が全国で61万3千人いるとの推計値を発表。」という数字をあげています。「未来の年表2」では、もう少し世代を広げた数字として以下をあげています。

親の収入によって生活している人たちの多さ だ。完全失業者および無就業・無就学者と臨時雇い・日雇いとなっている人のことであるが、 2016 年の場合、 35 ~ 44 歳は 52 万人、 45 ~ 54 歳は 31 万人で計 83 万人に及んでいる。ちなみに、もう少し若い 20 ~ 34 歳の 134 万人も加えれば、実に 217 万人となる。

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書) | 河合 雅司

相当な数字で、私自身は初めてこの数値を見たときはホントにこんなにいるの?と実感がありませんでした。Dayworkは普通の会社員ですが、普通に生活を送っていると気づかない数字です。ただ、この手のお話は現実そうであっても、進んで表に出す話でもありませんし、なかなか表面化するものでもないと思います。しかし、子供たちの環境、近所の方々のお話から聞く話を思い出してみると、意外と40、50代でひきこもりとなっている状況の方がいることを思い出しました。私の近いところだけでも数人います。

こうした不安定な働き方をしている人が、まだ大きく社会問題化していないのは、先の総務省統計研修所の資料でも説明した通り、親に依存して生計を成り立たせているから

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書) | 河合 雅司

日本社会の問題として、広く認識される必要のあることだと思っており、対策をうつ、何かできることはないか考えていくのにもう時間はあまり残されていない話でもあると思います。

「8050 問題」が最も大変になるのは、高齢者数がピークを迎える 2042 年だ。団塊ジュニア世代の先頭が 70 歳となる年である。私はこれを 2042 年問題 と呼んでいる。

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書) | 河合 雅司

認識し、対応する。この問題の深刻度は高く、何かしらの対応は必須で、時間もあまり残されていません。

ただ、これに対応、改善していくことによる経済面でのプラスは大きいと思います。 逆に言いますと、日本には現状これだけの数の方の潜在能力があるということではないかと思っています。